正直に告白すると、私は登山中の救助費用などを補償する専用の登山保険には加入していません。月1回ペースで登山していて、奥穂高岳や前穂高岳、富士山、冬の雪山にも登っているのに、今まで加入せずにきました。今回は、入っていない立場から、そもそも必要なのかを調べてみました。
足をくじいた瞬間、頭をよぎった「ヘリコプター」の文字
これまで大きな事故に遭ったことはありませんが、下り道で足をくじきそうになった瞬間、「これがもし本当にひどい捻挫だったら、ヘリコプターを呼ぶことになるのかもしれない」と頭をよぎったことが何度かあります。登山は、命と隣り合わせのレジャーだと改めて思います。
遭難の態様は、転倒・滑落だけじゃない
警察庁の統計(令和7年山岳遭難の概況)を調べてみると、遭難の「態様」別の内訳は、道迷い30.9%、転倒19.2%、滑落17.3%、疲労9.8%、病気8.1%となっていました。転倒・滑落を合わせても4割弱で、道迷いだけで3割を占めています。険しい岩場でなくても、道に迷ったり体調を崩したりするだけで遭難につながるケースが多いことに驚きました。(警察庁「山岳遭難の概況」PDF、2026年9月確認)
救助費用は、地域や方法によって変わる
救助費用は全国一律ではなく、地域や救助の方法、日数によって大きく変わるようです。警察・消防のヘリコプターによる公的な救助は多くの場合無料ですが、悪天候や夜間で公的ヘリが対応できない場合や、民間の山岳遭難対策協議会・民間救助隊に依頼する場合は有料になります。
一例として、奥穂高岳を含む北アルプス南部地区の民間遭難対策協議会の資料では、救助隊員1名あたり1日40,000円の「救助手当」が設定されていました。これに交通費や資材費などが加わるため、出動する人数や日数が増えれば、費用は数十万円規模になることも十分あり得ます。あくまで長野県の一例であり、地域や状況によって金額は変わる、という前提で捉えてください。(長野県「山岳遭難対策」資料、2026年9月確認)
保険選びは、商品ごとに条件を確認する必要がある
調べてみて分かったのは、登山保険は「これを買えば安心」と一律に言えるものではなく、商品ごとに条件をきちんと確認する必要があるということです。具体的には、次のような点を保険ごとにチェックする必要があります。
- 自分が行う登山(雪山・岩場を含む本格的な登山かどうか)が補償の対象になっているか
- 捜索・救助費用、傷害、賠償責任など、何が補償されるか
- 病気が原因の遭難も補償の対象になっているか
- 契約期間(単発の短期タイプか、年間タイプか)と保険料
自分は冬の雪山でチェーンスパイクを使うこともあるので、こうした本格的な登山が補償対象に含まれているか、契約前にしっかり確認しないといけないと感じました。
短期タイプと年間タイプのどちらが得かも、補償内容と自分の登山回数をそろえたうえで、短期タイプを都度買った場合の合計保険料と、年間タイプの保険料を比べてみないと一概には言えないようです。自分の場合、月1回のペースで登っているので、一度きちんと比較してみようと思います。
調べてみて、そろそろ具体的に検討すべきだと感じた
正直、今まで「今のところ大きな怪我をしていないから」となんとなく先延ばしにしてきました。ただ、月1回のペースで登っていて、しかもアルプス級の山や冬の雪山にも行っているとなると、自分の登山スタイルは決して「軽い登山だけ」とは言えないと、調べてみて改めて気づきました。
命と隣り合わせのレジャーだと分かっていながら、保険という備えを後回しにしていたのは、正直反省しています。まずは自分の登山頻度・レベルに合う登山保険を、商品ごとの補償条件を確認しながら、次の山行までに具体的に検討してみようと思います。
