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山頂まで残り30分。だんだん岩場をよじ登るような区間に差し掛かったとき、ふと目の前の岩と岩のあいだの景色が「映える」と思って、スマホを構えました。その瞬間、手からするりとスマホが滑り落ちて、よりによって岩と岩の隙間にすとんと落ちていったんです。蓼科山でのことでした。
映え写真を撮ろうとして、まさかのアクシデント
写真を撮ろうとした自分が招いた事故なので、正直、間抜けな話です。「映える写真」を求めた結果がこれかと思うと、自分でもちょっと笑えてきます。落ちた瞬間は「あっ」というより「え?」という感じで、しばらく状況が飲み込めませんでした。
覗き込んでみると、スマホは岩の隙間の、それなりに深いところに落ちていました。手を伸ばしても届かない、真っ暗で中もよく見えない。日帰りだし、まだ午前中だったので、このくらいの明るさでなんとかなるだろうと思っていたのが甘かったです。
いつもならスマホをライト代わりにしていたのに
ここで困ったのが、それまで暗いところを照らすときは、スマホのライトを使っていたということです。当時はまだ登山を始めたばかりで、「日帰りだからヘッドライトはいらないだろう」と思って持ってきていませんでした。
でも、そのライト役のスマホ自体が、真っ暗な隙間の中に落ちてしまっている。照らしたくても照らす道具がない、という状況に陥って、ここで初めて「ヘッドライトって、こういうときのためにあるのか」と痛感しました。このときの経験は、日帰り登山でもヘッドライトが必須な理由という記事にもつながっています。
山小屋でもらった養生テープも、最初はうまくいかず
とりあえず、少し登り返して山小屋まで行き、事情を話して養生テープを分けてもらいました。トレッキングポールの先端にテープを巻きつけて、粘着面でスマホをくっつけて引き上げようと考えたんです。
我ながらいいアイデアだと思ったのですが、結局これはうまくいきませんでした。隙間が思ったより深く、角度も悪くて、テープがスマホにうまく貼りつかない。
見知らぬ登山客の方と、二人がかりでなんとか回収
困っていたところに、ちょうど下山中の登山客の方が通りかかったので、思いきって声をかけました。
結果的に、その方と二人がかりで作業することになりました。片方がヘッドライトで隙間の中を照らし、もう片方がトレッキングポールを2本使って箸のように挟むようにして、少しずつスマホを引き上げていく。滑って落ちる、位置がずれる、を何度か繰り返しながらの作業だったので、体感的にはかなり長く感じました。最終的に隙間からスマホが顔を出した瞬間は、思わず声が出るくらいほっとしました。
この経験から思ったこと
登山をしていると、みんなそれぞれのペースや予定があります。休憩したい人、早く下山したい人、疲れてしんどい中を登っている人。だから、困ったときに誰かが助けてくれるのを当てにしすぎず、自分でなんとかする力をつけておかないといけないな、というのは、そのときすごく感じました。
それでも、あのとき足を止めて手伝ってくれた方には、今でも心から感謝しています。日帰りだから大丈夫、という考えの甘さも含めて、いい教訓になった出来事でした。
まとめ
映え写真を撮ろうとしてスマホを岩の隙間に落とし、ヘッドライトもないまま、山小屋の養生テープや見知らぬ登山客の助けを借りて、なんとか回収した話でした。
この一件から、日帰りでもヘッドライトは必ず持っていくようになりましたし、トレッキングポールが物を挟んで引き上げる道具としても使えるという、地味に役立つ知識も手に入れました。何より、困ったときに助けてくれる人のありがたさを、身にしみて感じた一日でした。
