登山を始めた30代半ばから後半の頃、私は「できるだけ早く登りたい」という気持ちが先に立っていました。体力にはまだ余裕があると思っていたものの、ペース配分も登り方の技術も分かっていません。最初から飛ばしてしまい、すぐに息が切れて、何度も立ち止まったり腰を下ろしたりしていました。
そのたびに、自分より年上に見える方や女性の登山者に追い抜かれていきました。悔しさと一緒に、「登山は体力だけで登るものではなく、歩き方やペースの保ち方も大切なんだ」と気づかされました。
今も登山のたびに試行錯誤していますが、以前より楽に登れるようになったと感じています。この記事では、私が登りで意識している歩き方や休憩、補給について紹介します。
早く登るより、同じペースで歩き続ける
初心者の頃は、登山口から勢いよく登り始めていました。ところが、最初に頑張りすぎると息が上がり、休憩の回数が増えてしまいます。休んでいる間は楽でも、歩き出すとまたすぐに苦しくなり、結果として思うように進めませんでした。
今は、最初から飛ばさず、自分が続けられるペースを探すようにしています。登山道の傾斜や足場によって歩く速さは変わりますが、「速く歩く」よりも「無理のないペースを崩さない」ことを意識しています。
歩幅を小さくして、お尻も使う意識を持つ
登りでは、以前の私は太ももの前側ばかり使っていたように感じます。今は歩幅を小さくし、前ももだけに頼らず、お尻も使って体を持ち上げるよう意識しています。背筋を伸ばし、急な斜面では特に一歩を大きくしすぎないようにしています。
この歩き方を意識するようになってから、私の場合は息の上がり方がだいぶ変わりました。ただし、前ももの筋肉をまったく使わないということではありません。地面の傾きや段差によって体の使い方は変わるので、自分が無理なく続けられる歩き方を見つけていくのが大切だと思います。
登山とジョギングに筋トレをプラスした理由でも書きましたが、体力づくりを続けたことで、自分の体の使い方にも目を向けるようになりました。
心拍数150は、私自身のペース調整の目安
登っているときは、腕時計で心拍数も確認しています。私の場合は、心拍数が150を超えてくると、体への負担が大きくなってきたと感じます。登りが続けば150を超えることもあるので、そのときは無理に進まず、立ったまま10秒ほど呼吸を整えることがあります。
以前のようにすぐ腰を下ろすより、短く立ち止まる方が自分には合っていると感じています。ただ、これはあくまで私自身のやり方です。心拍数の感じ方には個人差があり、腕時計の数値も目安のひとつです。息苦しさやめまい、体調の異変を感じたときは、数値にかかわらず安全な場所でしっかり休む必要があります。
使っているスマートウォッチはAmazfit T-Rex 3で、脈拍を確認できるようになったことで、自分がどのくらい頑張っているのかを振り返りやすくなりました。時計の数値を追いかけるというより、「少しペースを落とした方がよさそう」と気づくきっかけとして使っています。
水分と行動食は、後回しにしない
水分は、私は30分に1回くらいを目安に取っています。行動食は食べ過ぎるとお腹が重くなるので、1時間に1回くらい、体調を見ながらタブレットなどを少しずつ口にします。
空腹を感じたときは、羊羹やエネルギーバー、ゼリー飲料などを補給します。山頂では食事を取って休み、下山に備えるようにしています。
ただし、30分や1時間という間隔は私の習慣で、誰にでも同じ量や時間が合うわけではありません。暑さや登山時間、汗のかき方、体調によって必要な補給は変わります。喉が渇ききる前、空腹で動けなくなる前に、自分の体調を確かめながら補給するようにしています。
登山の水分補給と登山の行動食については、それぞれの記事でも詳しく紹介しています。
ペース配分は、体力だけでなく経験でも身につく
息切れして何度も休んでいた頃と比べると、歩幅を小さくすること、ペースを抑えること、休憩や補給を意識することで、同じ山でも以前より楽に登れるようになった実感があります。
もちろん、山の傾斜や標高、荷物の重さ、当日の体調によって、いつも同じように歩けるわけではありません。疲れ方を確かめながら、必要ならペースを落としたり休んだりすることも大切です。
登山をきっかけにジョギングを始めた話のように、体力づくりを続けることも、私にとって登山を長く楽しむための支えになっています。
初心者の頃の自分に伝えるなら、「早く登ろうとしなくていい。自分のペースを守って、無事に下山できる余力を残そう」です。登山の歩き方や休憩の取り方は、実際に山を歩きながら少しずつ身についていくものだと感じています。
